狂信的なテロ集団が大量破壊兵器を使わない理由・・・

『リスクにあなたは騙される 「恐怖」を操る論理』(ダン・ガードナー 著、田淵健太 訳)という本の感想、6回目。


テロのリスクに関して、日本のオウム真理教をとりあげた大量破壊兵器の話が興味深かった。

狂信的なテロ集団が大量破壊兵器を使うのは困難であり、もっぱら銃や爆弾などのローテクに頼る、というようなことが書かれていた。


なぜ大量破壊兵器を使うのが困難なのか? その理由は次の3つと理解した。

1.狂信的なテロ集団に大量破壊兵器を渡そうとする人はいない(自分が犠牲になる恐れがある)

2.大量破壊兵器を開発できるような優れた頭脳は狂信的なテロ集団に参加しようと思わない

3.優れた頭脳が参加したとしても、狂信的なテロ集団に身を置くと正常な思考が損なわれる



オウム真理教をとりあげた箇所が印象的だったので長々と抜粋。
世界の関心が凶悪なイスラム原理主義者に向いているため忘れられやすいが、テロの世界で大量破壊兵器を手に入れ、用いた最初の狂信者は、日本のカルトであるオウム真理教に属していた。

最盛期に六万人の信者を抱えていたその資産は恐ろしく大きなものだった。日本以外に、オーストラリアとドイツ、ロシア、さらにはニューヨークにさえ事務所があった。少なくとも現金で数億ドル持っており、ことによるとその額は一〇億ドルに達していたかもしれなかった。

そして、このカルトは高度な技術を持った信者を抱えていた。オウム真理教は日本の最高レベルの大学で生物学と化学、物理学、工学の分野の大学院生を積極的に勧誘し、彼らにお金で買える最高級の装置と設備を提供した。

最終的にオウム真理教は、最も恐れられているバイオテロ兵器の中の二つを用いて大量死をもたらす試みを合計九回行った。そして一人も殺せなかった。オウム真理教でさえ、その資源をすべて使っても、致死性の病原菌を毒性の高い状態で単離し、広範囲に散布することに対する実用上の多くの障害を乗り越えられなかったのである。

そういうわけで、オウム真理教は化学兵器と神経ガスに重点を移し変えた。こちらの方では、かなりの成功を収め、マスタードガスと青酸ソーダ、VX、サリンを相当量生産した。このうち、最後の二つは最も致死性の高い神経ガスの中に入る。一九九五年に最終的にオウム真理教の施設に警察が踏み込んだとき、このカルトは推定で四二〇万人を殺せるだけの量のサリンを持っていた。

上記の事実は恐ろしいことだが、妙に安心を抱かせることでもある。結局のところ、何百万人も人を殺そうとしているカルトが、多くの障害を取り除いて、少なくとも理論的にはまさに何百万人を殺せる兵器を手に入れた。それでいてなお、オウム真理教は大量死を引き起こすことに失敗したのである。

「オウム真理教の事件が示唆しているのは、いかに直観あるいは一般的な考えに反するとしても、化学兵器や生物兵器を効果的に兵器化し散布する試みにおいて、どの非国家主体も技術上の重大な困難さに直面することである」とギルモア委員会は結論を下した。こういった試みの失敗を決定づけているのは、宗教的熱狂によって強められる陰謀組織内部の環境であるとギルモア委員会は指摘している。「オウム真理教の科学者は、社会的、物理的に隔離され、被害妄想が進む指導者に支配されたため、現実から逃避し、健全な判断ができなくなった」

中学生くらいのある時期、テレビがオウム真理教一色だったことはよく覚えているけど、世界的にも類まれなテロ集団だったとは・・・。





ちなみに、上記2つ目と3つ目の理由に関して、狂信的なテロ集団は”熱狂”であり、優れた頭脳は”冷静”だろうから、それら二つは水と油の関係で合わないのだろう。

逆に考えると、自分のようなさえない頭脳には狂信的な社会の方が合うのかも・・・。

ということで、この狂信的な社会を元気に生きていくとしよう・・・。
関連記事

にほんブログ村
(^_^)/ にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ (^▽^)/ にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ (^◇^)/ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
2018-10-06 09:09 : 雑記 : 編集
« next  ホーム  prev »

プロフィール

ちゃーも

Author:ちゃーも
■自己紹介
・アラフォーサラリーマン
・さえないエンジニア
・お金好き、お酒好き、読書好き

■資産形成の方針
・仕事:開き直ってストイックに稼ぐ
・節約:消費するよりアーリーリタイア
・投資:パッシブに増やす

■投資の内容
・インデックスファンドの積立投資
 (先進国株式、ゴールド)
・利用している主なファンド
 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
 たわらノーロード 先進国株式
 SMT ゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジあり)

資産推移

資産状況202005

検索フォーム